6億円強奪犯は誰だ!
by 明智小五郎
ん?東京立川市の警備会社から6億円が盗まれた事件?
「この事件の犯人は警備会社内部の者の犯行か、非常に関わりの深い者が関与している」
え、当たり前?誰が見てもそんなことはすぐ判る?
「じゃあ、犯人に何カ所も刺されたという当夜の宿直職員も仲間である可能性が高い」
え、今言うと問題になるので誰も言わないだけ? 今云うお前は”ど素人!”?
「なにお、このヤロー。 じゃあ、郵便事業に顔のきく政治家か元郵政省の関係者が怪しい」
え、どうしてかって? そりゃあ この会社がこんなに何度も事件を起こしていながら郵便事業を受託できるなんて相当のコネが必要だからさ。
お、お、お、何だって、当たり前すぎてつまらねえ? 誰でもすぐ捕まえられるだと!
良くも言いやがったな、そのセリフは俺じゃなくお上に云えってんだ!
こんな三文芝居みたいな、下手な筋書きの盗人を捕まえられないなんて「こりゃひょっとしてお奉行さまもグル?」
ってイヤイヤイヤ誰もそんなことは言ってませんよ。
こうしてゆっくり時間をかけてる間に
犯人さんはもうどこかへ高跳びしちゃったのかな~ってね。
「良かった良かった」 ん、誰だ!! その声は!!!!