「アメリカの時代終焉」に幕を引くオバマ大統領

オバマ大統領がポピュリストの本領を発揮し、「シリア制裁」の決定で議会に下駄を預けてしまいました。
議会は賛成するか反対するか結果は分かりませんが、大統領が優柔不断で議会に承認を求めたアメリカは超大国として一線を越えてしまいました。

圧倒的な武力で「世界の警察」を自認してきた国家が、善悪は別にして、人の顔色を見て物事を決める「女・子ども(失礼)のような」普通の国家になってしまったのです。

これで米国が主導してきた20世紀以降の 「パックス・アメリカーナ」 の時代は終わりです。
これからの世界は、保安官のいない西部劇のような無法者が暴れ放題の世界になるでしょう。
良くも悪くも、力づくで自由民主主義を守るという「アメリカという国の独善」はナショナリズム台頭の強力な抑止力になっていました。
そのアメリカで初の黒人大統領として登場したオバマ大統領は、アメリカを「軍事不介入」という新たなモンロー主義の道へ導きました。このことには彼が黒人であることが少なからず影響しているでしょう。

日本はアメリカの独善性の元で、戦争に突入し、原爆を落とされ、占領され、米軍傘下で復活し、いま米国の軍事力のおかげで中国との微妙なバランスを取っています。

今回のシリア紛争ではっきりしたように、
米国が軍事的にすぐに動かない国に変化したことは、日本にとって非常に大きな影響があります。
中国やロシアという国が日本に対してどのように態度を変化させてくるか注意しなければなりません。
日本は単独で中国に対峙できる防衛力を養わなければなりません。
北朝鮮・韓国は中国に傾斜していきます。反日行動はエスカレートするでしょう。

中東地域はイスラエルが孤立感を深め、エジプト・シリアと言った紛争国家に囲まれたまま、大規模な軍事衝突が起こるかもしれません。

中国とロシアの緊張が高まり、ならず者国家同士の争いは周辺国を疲弊させます。
世界中の国が大小を問わず、我先に核兵器を所持しようとするでしょう。
日本も例外では有りません。自力開発が必要でしょう。

オバマ大統領は議会の承認が得られなければどうするつもりなのでしょう。
いまさら「議会の承認を得られるよう全力を尽くす」などというたわごとは聞けません。
唯一の超大国アメリカが引きこもりになれば「中国が大笑い」しそうです。

コメント(2)

  1. 老婆

    ご指摘にもあるように、アメリカのシリア攻撃が引き金になってイランとイスラエル間に戦争が起きて「中東大戦争」が勃発してしまう懸念があるので、議会に認証を求めているのかも知れません。

    もし中東大戦争が起きればそれこそ対岸の火事では済まないでしょう。

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  2. 老婆

    海軍の原子力空母「ニミッツ」が艦隊を率いて紅海に向かって航海しているのは、言われているようなシリア攻撃支援ではなくてイスラエル支援の準備のようにも思えます。

    返信

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