主権回復の日を5月15日に

昭和27年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発行し米国の占領下にあった日本が独立を回復しました。
その4月28日を「主権回復の日」として記念式典を催すのだそうですが、現安倍政権では祝日にはしない方針だそうです。

 

8月15日の終戦記念日は毎年ニュースで取り上げられますがやはり祝日にはなっていません。本来、記念日というのもおかしな話です。日本が敗れた日であり当然で、祝日として祝う国があるとすれば戦勝国だけです。

毎年終戦記念日には戦争を振り返った様々な行事や特別番組が組まれますが、それは「戦争を二度と起こさないため」で、その誓を新たにするためだそうです。

「主権回復の日」を提唱してきた自民党の野田毅税調会長(社団法人 日中協会会長)は
「4月28日はいわゆる”お祝いの日”とは違う。この日独立を回復した日本はそもそも主権を喪失したのはなぜなのか。主権を喪失していた期間に、占領政策によってどんなことがあったのか。政府が式典を開くのは、これらのことに厳粛に思いを致すためです。まっさらな気持ちで右、左(のイデオロギー)を超えて、日本人全員で振り返るきっかけの日にしてもらえればと思います(産経ニュース)」と述べておられます。

とすれば今の終戦記念日は取りやめて「主権回復の日」だけにしてもいい。同じことをする記念日が二つもある必要はない。

だけど「反省」が大好きな日本人のこと、いつの日か「主権回復の日」がお祝いになって「反省」がなおざりにされることを憂える人が多いに違いない。私も日本人である。わからなくはない。
だがおそらくそれは杞憂だろう。なにしろ「反省」の大好きな日本人。ほっといてもメディアは今と変わらず8月15日には特番を組んで終戦の日は特別な日として続く。

 

それはさておき、この「主権回復の日」に反対する勢力がいる。
沖縄のメディアである。なぜか?

「その日、日本は独立したが沖縄は取り残された。沖縄にとっては屈辱の日でしかない」
というのがその言い分である。 が、しかしなんだこの言い分は!
まるで、出来の悪いヤクザな兄弟みたいじゃないか!

沖縄メディアはこれまで反日左翼の急先鋒として普天間基地や米兵事件で米軍基地反対闘争を主導。沖縄戦で「日本軍人が民間人に自決をしいた」とする歴史捏造反日キャンペーンなど朝日新聞顔負けの無国籍メディアです。

その沖縄メディアの主張は常に「沖縄県民の声」という形で書かれ本土のメディアもその論調で伝えるのだが、「主権回復の日は沖縄にとって屈辱の日だ」というのは本当に沖縄の一般県民の声なのか?

「日本の主権は回復したが沖縄は米軍施政下に置かれたままであった」これは事実である。
だがこれは占領国米国の方針であり「当時主権のなかった日本国に抗いようのないものであった」これも事実である。

この抗えぬ事実を「沖縄にとって屈辱の日であった」と表現する人たちの心情はどのようなものなのだろう?

「主権を回復した」日本にとって「沖縄が引き続き米国施政権下に残された」ことは「沖縄に残された苦痛」に違いないがそれは同時に日本の苦痛でもあったはずだ。

「苦痛」でなく「屈辱」という表現は何を意味しているのだろう?
「屈辱」とは「新たな苦痛を理不尽に押し付けられる」という動的変化を示す言葉。
ここにあるのは「苦痛から救われた本土」と「苦痛なままにの沖縄」という、取り残され開く距離感に苛立つ沖縄の心情を表現しているが、屈辱という内向きの言葉で「憎しみの対象を本土に向けようとする意思」を感じるのだ。
これは「沖縄メディアの声」であり、一般の沖縄県民の「本音の声」ではないことを信じたい。

 

その後日本政府は、沖縄住民の独立運動に支えられ、沖縄返還を米国に粘り強く働きかけた。
その結果、遅ればせながら昭和47年5月15日、本土に遅れること20年、沖縄は米国から日本に施政権が返還されました。
ですから「主権回復の日」は4月28日ではなく、沖縄が返還された5月15日の方がふさわしいのではないでしょうか。

ただこの当時、東西冷戦というイデオロギー闘争の元、朝鮮戦争、ベトナム戦争と共産主義と対峙し続けた米国にとって沖縄は最も重要な軍事拠点でした。
日本に返還すると、東アジアにおける米国の軍事力が低下するのではないかという懸念から 台湾・韓国は米国に抗議したようです。

この懸念は日本においても事情は同じ。 ロシア・中国・北朝鮮という共産国家群と国境を接する日本は、「米国の軍事力・核の傘のもとで安全保障条約に日本の国防を委ねる」という選択をしました。
見解の相違はあっても国民の付託を受けた時の政権の決定ですから従うのは当然です。

その結果日本国として復活した沖縄ですが、自国防衛を米国との安全保障に委ねた結果、沖縄には米軍基地がそのまま残ることになりました。
沖縄の苦痛は未だに本土並みには癒されていないのです。これもまた明らかな事実です。
それは日本全国の国民が理解しているはずです。そして政府も理解しているということです。沖縄は決して孤立しているわけではありません。

 

「主権回復の日」は5月15日として国民の記念日・祝日としましょう。
同時にこの日を「国防の日」とし、沖縄の苦痛を共有し、国防と国のあり方を考える日にすることを提案します。

 

 

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