円安批判は言いがかり 1ドル100円を目指せ!
アベノミクスを巡り国際社会で賛否両論が広がっていて、欧州首脳らが通貨安競争を懸念しているというニュース。
特にドイツのメルケル首相はダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)での講演で「為替操作で日本に対する懸念が出ている」と日本を名指しで批判している。
その批判は「政府が中央銀行・日銀に圧力をかけるべきでない」と中央銀行の独立性を柱としているのですが、国家の経済を停滞させる中央銀行があればドイツならどうするんだろう?
かつてドイツは第一次大戦後に中央銀行の独立性が高すぎてハイパーインフレを経験したのだからちょっと首を傾げます。
もし日本の日銀のように、不安定な政権のもとで「何もしない」ことを中央銀行が選択したらどうなるか?
その結果が「日本の通貨独歩高による経済停滞と不景気・雇用不安・デフレスパイラル」です。
経済学者のポール・クルーグマンは、
『我々は中央銀行の独立性を擁護してきた。しかし、この独立した中央銀行が、失敗による面目失墜を恐れるあまり、自国経済のためになることすら、やらない 存在となっていることが不況の大きな原因になっている。』
まるでここ10年余りの日本と日銀の姿そのものです。
さらにこう続けます。
『国を問わず、根本的には組織に問題がある。(組織の人間が)自分の組織上の地位や組織そのものを守ろうとしている。中央銀行の独立性への介入に関しては、躊躇すべきではない』
安倍総理の経済ブレーンとなった経済学者の浜田宏一氏は、
「中央銀行の独立性とは、政策手段を自由に選べるという意味。国民経済全体に影響を与えるような政策目標まで決めることを意味しているわけではない」と述べています。
「中央銀行の独立性」が必要なのは「独裁政権のような非民主国家」における理論なのではないのでしょうか?
日本円は日銀の「金融緩和の中止」により、1ドル100円から1ドル70円台まで2割以上切りあがりました。当然のように輸出産業は大打撃を受け技術立国日本は失速しました。
その分ユーロのドイツや中国・韓国などは為替相場の恩恵を受け続けたのです。やっと1ドル90円まで回復してきたアベノミクスを彼らから非難されるいわれはどこにもありません。
日本はお人よしにもほどがあります。
「通貨安競争を招く」などといわれたら「国際協調に努力した日本だけが欧米の金融政策の失敗により異常な円高に見舞われた。1ドル100円までは容認するべきである」と主張するべきです。
中央銀行の独立性はユーロの論理です。国家の目標に強調できない中央銀行独立性はもう一度根本的に見直すべきだと思います。
白川日銀総裁はこの人こそ「国賊」だと思っています。