政治の機能不全を解決する
【二院制と政党政治の見直し】
日本だけでなく世界中で政治がうまく機能していないことが問題になっています。
ひとことで「決められない政治」と言われている現状がそうです。
なぜ決められないのでしょう?
三権分立(後段参照)体制においてどう見ても立法府が優位性を持っていると思うのです。そうすると立法府の改革(つまり政治改革)が「決められない政治」の解決の鍵です。
立法府の体制もさまざまあるでしょうが、2院生制、2大政党制を採用しているところが「決められない政治」に陥っているようです。
中国のような共産党一党独裁では2院制のような混乱はありません。また宗教が政治の上部組織として君臨している国家でも混乱はありません。
しかしその政治決定が世界と強調できるものかどうかは別の問題で、軋轢を起こしているケースのほうが多いようです。
一党独裁体制が決してあるべき政治体制ではないのは明らかです。
2大政党制はどうでしょう。
そもそも結社や集会の自由が保障されている以上、政党がいくつ出来ようが仕方がないのです。2大政党に集約されるかどうかは国民の選択であり、多数の小政党が乱立するのは、明確なイデオロギー闘争が消滅した現代では当然の帰結であると思われます。
となれば「決められない政治」の問題の解決の鍵は2院制です。
世界の先進国をはじめ多くの国が2院制を採用しています。
連邦型(アメリカ・スイス・ドイツなど)、貴族院型(イギリス・かつての大日本帝国会議など)、民選議員型(イタリア・日本・フランスなど)、変則民選議員型(ノルウェー)といった類型に分類されるようですが、この第二院にどのような権限を与えるかが「決められない政治」の解決に繋がると思います。
日本を例に第二院である参議院について考えて見ます。
法を定める場合、特定政党が過半数を占め衆議院で議決しても参議院で否決された場合、衆議院に戻し、3分の2以上の賛成を得て再可決すれば法案は成立します。
これでは一党独裁となんら変わりません。
予算や条約承認、首相指名などの場合は衆議院の決定のみで可能です。
内閣不信任決議は衆議院でしか審議できません。
このように参議院より衆議院が決定権があります(衆議院の優越)
特定政党が衆議院で3分の2以上の議席を獲得すれば「独裁政治」が可能になる現行制度は大きな危険をはらんでいます。
提案します。
政党が所属議員に「党議拘束」をかけ本人の政治活動を制限し、党に反対すれば除名にするようなことは許されません。我々は政党でなく政治家に投票したいのです。
(その意味では比例代表制も当選者を党が決める方式を見直す必要があると思います。)
「党議拘束」の禁止です。
参議院議員は議席数を大幅に減らして、政党に所属せず且つ地域や企業の利権を代表しないことを宣誓した人物を国民投票で選出します。
「無党政治家」による参議院運営です
法案は衆議院で可決しても参議院が3分の2以上の票で否決した場合は廃案とします。
また衆議院で3回の投票で可決できない重要法案は参議院に回し、参議院の投票で成立・決定するようにします。
「参議院の優越」です
衆議院議員が参議院議員に鞍替えすることは65歳までは禁止します。
逆の場合、参議院議員が衆議院議員に鞍替えすることは可能とします。
大まかですが、このような形で衆議院と参議院で、同じような政党政治が行われることを廃止し、参議院議員は党利や利権から距離を置く議員で運営されるようにします。
党利や利権で動かざるを得ない衆議院より、少数の利権を持たない政治家による参議院の決定を優先することで「党利党略」や「利権政治」から決別するのです。
こうすればもっと国民から信頼される政治体制が出来ると思うのですがどうでしょうか?
三権分立
≪三権分立とは、「三権が相互に抑制し合い (お互いに抑え合い)、均衡を保っている(つりあっている)」状態をいいます。フランスの啓蒙思想家であるモンテスキューが、その著書「法の精神」の中で説いています。
三権分立の目的は、三権が相互に抑制し合うことによって、「権力の濫用(らんよう)を防ぎ、国民の権利や自由を守る」ためです。≫