中国を操る北朝鮮
BY KEI
北朝鮮が核開発したりミサイル実験しようとすると、世界中が非難する。
特に当事者の日本・韓国・そしてアメリカは猛反発し中国にも同調するよう求める。
いや日・米・間はもうあとは軍事軍事行動越すしかないほど手詰まりになっている。だから日中は、北朝鮮に影響力のある中国に動いてもらいたいと懇願し続けている。
だが世界は北朝鮮に対する中国の影響力に完全な勘違いをしている。
中国が北朝鮮をコントロールしているのではない。北朝鮮が中国をコントロールしているのだ。なぜこの簡単なことがわからないのだろう。
中国にとって北朝鮮が破綻し大量の難民が押し寄せてくる事態はぜったい避けたいのである。インフラを整備し国内の格差を是正することに懸命な中国は大量の難民が押し寄せれば大混乱を起こす。
中国は経済発展による豊かさを「目の前の人参のようにぶら下げて」かろうじて国民を統率しているだけである。
経済的に豊かになつつはあるが、中華の国民性は、一皮向けば「国のことなど知ったこっちゃあない。何をしてでも自分とその家族・一族が栄え生き残ることが最も重要だ」と考えるアナーキーな民族。今の中国も高々60年の歴史しかない。この中華の地の民にとって国家は敬愛して守るべき対象などではない。どのような支配者が現れようと彼らにとってその国の名前や統治者には何の興味もない。自分達が安全に暮らせるかどうかだけが問題なのだ。中国指導部はそのような国民に「アメ」を与え続けなければ国を治められないのだ。
だから中国の政策は当面「経済発展を阻害するものの排除」が原則である。アナクロニズムな領土拡張政策もそのためだ。
そしてそれは「国内安定のため北朝鮮にもアメ」を与え続けなければならない」ということでもある。
北朝鮮は暴発させてはならないのだ。北朝鮮が不作なら食糧援助をしなければならない。若い経験不足の指導者が現れれば体制維持できるように全力で支援する。北朝鮮指導部がおろかな策をとろうとすれば中国指導部が心配しておろおろする。これが中国と北朝鮮の関係の実態である。
先日の北朝鮮の軍事パレードで「大陸間弾道弾」と思われる兵器が突然表れ世界中が震撼した。そしてその弾道弾を運搬する車両が中国製であることが判明した。弾道弾そのものについては不明だが、「車両だけ供与する」ことのほうが不自然だろう。
珍しく今回の北朝鮮のミサイル実験には、中国とロシアが明確な反対に回った。しかしその裏で中国はICBMを北朝鮮に与えていた可能性が大きい。若い指導者に危険なおもちゃを与えてまでご機嫌を取った。自国以外の世界のことなど彼らにとって何の興味もないのだろう。中国指導部もやはり中華の民である。
「中国と北朝鮮のどちらの立場が上なのか?」
中国は凶暴な息子に脅されてその悪事に加担までする愚かな母親のようなものである。どちらの対場が上なのか明らかだ。
不思議だが、世界は常に中国を買いかぶる。
明治時代もそうだった。毛沢東時代もそうだった。まれに見る経済発展を続けてきた現在もそうなのだろう。
よく「中国は法治国ではない。人治国家である」といわれる。しかし私には「人治」とも「国家」とも見えない。
かの中華の地に多くの国家が生まれたが、「国を愛する国民」は生まれなかった。
中華の地に生まれた国は「国民」のいない、中身のない「張子の虎」のような国家でしかない。
歴史とは無残なものかもしれない。