維新の会 政党政治の終焉

by KEI

大阪維新の会≫

橋下大阪市長が作り上げた「維新の会」は大阪ダブル選挙に圧勝し、次の国政選挙には候補者を擁立し国政にも打って出る準備をしています。
それを見て既存政等は危機感を募らせる一方、しきりに橋下氏に秋波を送っています。

しかし既存政党の政治家にとって政党間の合従連衡は当然なのでしょうが、「大阪維新の会」にとって「既存政党との提携」という道はあるのでしょうか?

大阪の「維新の会」は、橋下市長の強い意志の下 「既成概念にとらわれず、行政の無駄や既得権益構造を打破する」 という政治改革運動。
職域団体や利権団体などといった組織の支援を受けて選挙戦を戦い、多数を占めたものが政権を担当するという、これまでの政党政治そのものを否定するものであるという気がしてならない。

≪政党政治の終焉≫

自民党政権に愛想を尽かし、期待をもって迎えた民主党の鳩山・菅政権に煮え湯を飲まされた国民が、”政党政治”そのものに絶望した結果、「大阪維新の会を選択する」という答えを出したのだと思うのです。
という事は「大阪維新の会」は「政党となった時点でいずれ支持を失う」ということでもあります。

議会制民主主義を取り入れた「明治維新」ですが、当初から欧米に倣い”政党政治”という形で導入したので、政党政治以外の議会制民主主義というものは全くの未知の領域である。

イデオロギー闘争が終焉した今、すでに ”政党間による政策選択の違い” はほとんどない。あるのは「政党の支持母体又は選挙戦の地盤の利権を守るための政策」による違いしかない。
こんなものを”まっとうな政治”とは呼べない。
現代の政党政治は利権政治というかたちでしか存在しえなくなったともいえます。
政治家は懸命に、自分の主張する政策の正当性を理由付けしようとするが、どのように言い繕おうが特定集団の利権を守り自分の議席を確保する為の方便にしか過ぎない。
国民は愚かではない。
すぐその欺瞞性を見抜き政治に参加する意欲を喪失している。
長きに渡った政党政治は終焉を迎えているのだ。

≪新しい政治体制≫

政党というものが無ければ、残るのは政治家という”個人”の集団による議会運営しかないだろう。
それは必然的に選挙制度の変革を求める。

比例代表性などという”個人”の資質を問われず国会議員になるおかしな制度は認められない。
「国会議員は地域の代表。地域の利権を守って何が悪い」などという政治家は必要ない。国会議員は地域の代表者であってはならない。国民の代弁者であるべきである。当然政治家の数は大幅に減るだろう。
選挙は、候補者”個人”の思想・信条・理念・政策を公開し、国民に問いその負託を受ける。政党の”党議拘束”に縛られ、政治家が個人の信念”を放棄するなどと言う馬鹿なことは起こらない。
首班の指名も「有権者による直接選挙」にならざるを得ない。国民も責任を持つのだ。
政治家が利権集団や地域エゴに媚びる必要もなくなる。政治家が政治に専念できる体制にするのだ。情熱と信念を持つ政治家が日本と国民の為に政策を決定し実行するのだ。

首班はある意味”独裁者的権限”を持つようになる。しかしその独裁は国民の総意によるものであって、過去の共産主義やナチスのような”独裁”では決してない。
「大阪維新の会」の橋下大阪市長がよく”独裁者”という批判を受けるのは「政党政治終焉の時代」を先取りしているためである。大阪府民の負託を受けた”正当な独裁”である。首班とは”独裁”の別名でありそれでいいのだと思う。

≪必ず出てくるまがいもの≫

今あちらこちらに「維新の会」が出来ているようです。しかし本当に「大阪維新の会」のような革新性を持ったものとは思えない。
というより「大阪維新の会」は橋下徹という人物がいて成立するのであり、彼のような志を持つ人物がいなければ名前だけ真似てもそれはまがい物にしかすぎない。
既存政党の議員達が選挙目当てに「維新の会」を結成しているだけのこと。「維新」の名をかりて、新たな利権と自己保身の票集めに利用しようとしている者たちの集団。

現に、「首長を支持し結託するのが”維新の会”である」と勘違いしているような集団が出て来ている。これは従来の政党政治よりさらにたちが悪い。行政・首長の不正を監視・指摘することすら出来ない恐怖政治に陥りかねない危険なものである。
議会は首長・行政と一体になってはいけない。距離を置いて監視する義務がある。

「大阪維新の会」のように「政党政治の悪弊である”利権”を否定し、国民の為の政治改革を体現できる”首長”を有権者が選ぶ」事が前提である。「維新の会」を新しい政党と見るような政治家が主催することは許されないもの。「維新の会」は政党でなく”政治改革運動”に冠せられる名称であるべきです。

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