尾崎 豊
by あすなろ
先日、尾崎豊のドキュメンタリー番組を見た。
確か以前もやっていたものの再放送。
彼の歌と生きざまは今でも人々の心を魅了してやまない。
好きな女の子を前にして
ドキドキしながら「君が好きだ」と人前で堂々と云わずにいられない。
シャイでありながらためらったり偽ったりすることが許せない。
思いは行動に移さなければならない。そんな風に見える
でも一人になると孤独にさいなまれ
部屋の中で一人膝小僧を抱え唇を噛みしめ
人知れず耐え切れぬ寂しさに震える少年。
無垢で純粋なこころは揺れながら戸惑う。
世知辛い世の大人の行動がずるく見えて許せないが、
自分もその大人たちとなんら変わるところがないことも知っている。
しかし彼はその無垢と純粋さの中だけで生きようとした。
若すぎる生まれついての10代の詩人はいつまでも少年であり続けようとする。
自己の魂と世界がせめぎあうしかない道を選んで絶叫する少年。
純粋な彼の歌は、10代の感性を持ち続ける”尾崎豊”にしか歌えない。
20代を過ぎると歌えなくなる。それは彼の宿命なんだろう。
大人になることに抗い続けた尾崎豊にとって、
死は安らぎだったのかもしれない。
まるでジェームスディーンの生まれ変わりのようではないか?
彼等はあまりに似ている。確信のような思いが突き上げてくる。