by KEI
通勤中の今日のラジオで、震災地の青森県八戸市でテレビなどの盗難が相次いでいるというニュースを聞きました。他の地域でも似たようなことが起きていると聞きました。
一体誰にこんなひどいことが出来るのでしょう。被災地の住民が犯人のはずがありません。そんなものを盗っても何処へも持って行けないしテレビを見ることも出来ない。一日一日生き延びるのが精一杯でテレビや家電なんかに執着するはずがありません。
停電で真っ暗闇になった夜間、避難所で被災者が肩寄せ合って寒さに耐えているその間に町を徘徊し、殆どの物を失った被災者からさらに物を奪っていく。
家族を奪われ、家を奪われ、生活を奪われたその悲しみに耐え、再び立ち上がろうとしている被災者が、このことでかすかに残った生きる希望さえも奪われ、絶望と悲しみを味あわされると思うと胸が痛みます。
ラジオからは、被災者への暖かい励ましの声が次々流れてきます。聞いていて涙が出るほど思いやりに満ちた沢山の人の声に満ちています。本当に多くの人が被災地の方々の為に何かをしてあげたいと思っています。
それは聞いている被災者も被災者でない私にも「大丈夫。これなら日本は再び立ち直れる」と勇気づけられる、日本人の誇りのように思えるものです。
しかしその一方、被災地で盗みを行うという、人にあるまじき浅ましい行為が行われている、このギャップに慄然とします。本当に同じ日本人のすることでしょうか?
お願いです、もし日本人ならすぐに返してください。私は日本人としての誇りを失いたくないのです。いえ、私だけではないでしょう、皆同じ気持ちだと思います。
この未曾有の災害にも、被災者が物を奪い合うこともなく互いに協力しあう日本人に、世界中の人が驚嘆しています。この人々のおかげで日本人は日本人としての誇りを取り戻しつつあるといっても良いのではないでしょうか。
もう一度お願いします。もし日本人なら今すぐに獲ったものを返してください。