北朝鮮 核実験実施

ついに北朝鮮が核実験を行ったというニュースが流れています。
世界は北朝鮮の核保有を非難する一方、過去にインド・パキスタンの核保有は黙認しました。
核拡散防止条約(NPT)は米・露・英・仏・中の核兵器所有を認めていますが、NPTは明らかに欺瞞に満ちた条約です。核兵器所有の固定化です。
(イスラエルも核兵器を持っているだろうと誰もが信じています。)

これらの現状を見ると、北朝鮮の核兵器保有だけががなぜこれほどまでに敵視されるのか少し戸惑いを覚えます。
同時にこれまでアメリカがとってきた北朝鮮政策にも違和感を覚えます。

2002年ブッシュ前アメリカ大統領が、前年のニューヨーク同時多発テロのあと、テロ支援国家としてイラン・イラク・北朝鮮3カ国を「悪の枢軸国」と名指しで非難しました。
テロ組織の基地があると目されたアフガニスタンに侵攻し、核兵器開発疑惑を持たれたイラクと戦争を始めました。

ところが北朝鮮に対しては「経済制裁」による核兵器開発断念を目論見、6カ国協議を発足させましたが、北朝鮮の隣国中国が消極的態度に終始し交渉は中断してしまいました。
その間に北朝鮮は着々と核兵器を開発し大陸間弾道弾となるミサイルまで開発してしまいました。

このアメリカの対北朝鮮戦略は中東・アフガニスタンに対する武力制裁と明らかな違いがあります。
その根本は「中国に解決を委ねる」という間違った戦略でした。

アメリカはこれまで「中国を過大評価する」という同じ過ちを歴史的にずっと繰り返してきました。
・大東亜戦争もその過ちの一つでした。
・1972年同盟国の日本を無視したニクソン訪中もそうです。
ニクソン政権のキッシンジャー補佐官は中国高官と「日本を敵視する」談話・発言を数多く残しています。
キッシンジャーは完全な「日本人蔑視論者」です
彼は日中の歴史問題については全くの素人か、日本に対する揺るぎない偏見の持ち主か、それともその両方かいずれかです。
アメリカはいつ第2第3のキッシンジャーが現れるか判らない国です。
日本は米国ともっと密接に政治的交流をするべきですね。

安倍総理は今回の北朝鮮の核実験に対し、
「北朝鮮に対し、独自の制裁を含め諸懸案の解決のために有効なあらゆる手段を用いて対応する」と述べ、日本政府による独自制裁に言及したようですが、北朝鮮が核兵器を所有した今となっては、もう少し柔軟な対応が必要なのではないでしょうか?

NPTに加入しないインド・パキスタンを放置している現状で、北朝鮮だけ核保有制裁というのは少し無理があるような気がします。
拉致問題を抱える日本は、「独自の制裁」ではなく「独自の対話」を試みるべきではないかと思います。
国際協調の足並みを乱すように見えるかもしれませんが、中・露などこれまで足並みを揃えようとしたことなどありません。

「独自の対話」を通じて、北朝鮮の求める「米朝会談」を働きかけるなどの、日本主導の新たな平和外交政策もあっていいのではないかと思います。

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