旧友

by 老年

 小学校・中学のときの同級生I君に久し振りに会った。50年近い前のこと、顔もほとんど覚えていなかったが話している内に何となく思い出してきた。
前から父親の体調が悪く、I君が時々田舎に帰って来るとは聞いていたのだが、名前を聞いても中々思い出せなかった。どうも中学の時の記憶がおぼろげであまり印象にない。
とても優秀な子だったのは覚えているのだが、なぜ高校(市内に普通化高校は1つしかなかった)で一緒でなかったのか首をかしげていたのだが、彼に聞くと「中学一年で県内の他の市に転校した」とのこと。どおりでと納得はしたものの、それに気づかぬ自分のうかつさが恥ずかしかった。

今は一流企業で働いていて、ついこの間もロシアに出張した時、たまたま日航機が予定より20分程早くついたので、幸いにもその30分後に起こった爆破テロ事件に巻き込まれなかったと話す彼。
「頑張ってるな」と感心すると共に「人にはそれぞれの人生の物語があるものだ」と思うと、自分ももっと物語を作れそうで頑張ろうという気分になる。

小学校の頃の同級生の名前も何人か挙がり、同じように老いた母親が暮らしていて時々帰省する友人K君と親しかったらしく「帰省時期が合えば一緒に会おう」といって別れた。そのK君が元日航パイロットと云うのも何かの縁だろうか。

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