by ハッチョ
(パイクスピーク山頂からの眺め)
今日はニーノの運転する車でパイクスピークという山を目指す。標高は4301m。
富士山(3776m)よりはるかに高い。
その上、車で頂上まで行けるという、我々”ひなんクラブ”のためにあるような山である。
ニーノが運転する時は同級生のマサシ兄さんがナビゲーターを務めるが、今回はマサシ兄さん不参加なのでトッチャンがナビを務める。
(ご苦労様です。ニーノのナビは大変なんです。運転中のニーノからは、まるで戦争でもしているみたいに矢継ぎ早に指示が飛んでくるんだから)
しかし、そんなに遠くないはずのパイクスピーク山が幾ら走っても見つからない。
何故だ?4301mの独立峰が見えないはずがない。
ニーノがイライラする。トッチャンも首をかしげる。
我々も不安になると言いたいところだが、こちらはまな板の上の鯉よろしく、ニーノに下駄を預けているものだから気楽なものである。
しかし行けども行けども、日本と違ってほぼ平らといってよいほど緩やかな起伏の平原を、何時間も走るとさすがに少々飽きてくる。
平原といってもかなり高度のある高原だが、走れども走れども景色は全然変わらない。
アメリカは広い。広すぎる。
慣れなければ日本人にはこの広さが感覚的に理解できない。パイクスピークが見つからないのもそのせいであった。
富士山より高い独立峰と聞くと、日本人には屹立した山容をイメージしてしまう。その上名前が”パイクス”ピーク。パイクスという言葉の語感が”スパイク”に似ていたせいもあるが、懸命に、聳え立つ山を求め続けて走っていた。
広大なアメリカには「4300mの山であってもなだらかな丘のようにしか見えない所さえあるのだ」ということを知らなかった。
何度もパイクスピークの周りをウロウロしながら”木を見て森を見ず”という状態だったのだ。
一度出発点近くへ戻って再挑戦。無事山腹に辿り着いた。
途中3500mを超えたあたりで、車で登る旅行客のための「強制収容所(休憩所)」のような土産物店がある。
”高山病にCAUTION!” 「ここで休め!」
と大きく書いてある。4300mともなると車で一気に登ると高山病になるのだろう。
30分ほど休憩する間に又つまらぬ土産を買ってしまった。
”きれいに磨き上げた石ころ?”とでも言えばいいのか、宝石の類ではない。10個程買いこんで、気がつけば、糊づけされた小さな値札にはさらに小さく ”MAIDE IN TAIWAN” と印刷してあった。
アメリカに来て台湾の土産物を買ってしまった。これも又家族には見せられないな。
誰かが「コーヒーを奢ってやる」というのでセルフサービスのコーヒーをありがたく頂いた。
だが、おごってもらった金額は、一杯3セント!(3円くらいだ)。むちゃくちゃ安い。
こりゃ高山病予防の為にお店がボランティアをしているんだろう。
この土産物店で、早くも、「空気が薄い」「フラフラする」という声がメンバーから上がる。
そりゃそうだ、日本の富士山くらいの高度に居るんだから。
アメリカは広い!