パソコン生産で中国に勝つ方法

by KEI

日経新聞に目を引く記事がありましたのでご紹介。(2011.10.23)

米ヒューレットパッカード(HP)本社は低収益が続くパソコン事業を分離する。
ところがHP日本法人は逆に中国工場からパソコン生産を奪った。年間生産台数50万台規模の仕事を、人件費1/4の中国工場から奪い取ったのは日本㏋の高収益体質にあるという。

ここには、空洞化を懸念される日本の製造業が復活する為の、知恵が隠されているのではないか。

日本HPは2003年からデスクトップの国内生産の再開が決まった。だが清水直行所長は不安であった。与えられたスペースが従来の3/4しかなかったからである。
ところがこの悪条件が逆に幸いした。

狭いスペースで生産するためにラインを縮小し、徹底した整理整頓でスペースを確保した。そのことで逆に作業は効率化したのである。
ラインが短くなった事で、従業員の無駄な動きが減り作業ミスも減った。
結果「東京生産」のデスクトップの納期は中国生産の1/3の5営業日にする事が出来たのである。「カイゼンの可能性は無限にある」と清水所長は語る。

その強みで納期に厳しい顧客を取り込み、国内シェア10%が20%と主意を争うまでに成長。中国事業を日本に移管することを本社も受けいれた。

「パソコン生産は中国のODMメーカーで集中生産したほうが量産効果が出る」と言うのが常識だったが、カイゼンによる納期短縮、仕様変更への対応力では「国内生産のほうが競争力があることを証明した」
岡副社長はこのように語り、「中国は今後人件費が上昇する。国内生産の優位性は今後さらに増して行くのではないか」と続ける。
日経新聞電子版セレクションより(抜粋)

品質に優れた「メイド・イン・ジャパン」が「カイゼン」により復活した例である。
円高ばかり注目され海外生産・国内空洞化が懸念される中、もう一度日本の「カイゼン力」を見直してもいいのではないでしょうか。

コメント

コメント(1)

  1. 中国で縫製工場のある会社の老事務員

    中国人の工員は少しでも賃金の高い方に行ってしまいます。

    経営陣は慢性的に、引き抜き、サボタージュ、ストライキ、技術の流失に悩まされています。

    人件費の上昇に反比例して生産性が低下している業種も多いと聞いています。

    返信

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