1998 ネパール(2)

ポカラ

一泊目は、観光地でトレッキングする人達のメッカ「ポカラ」。
カトマンズ空港からそのままポカラへ飛ぶ。飛行機は古臭い双発機。航空会社の名は「ブッダエアー」さすが仏教国。いや確かネパールはヒンドゥーの国では?いやどちらも生き残ってるらしい。(つい最近この会社の飛行機が墜落した)

「ポカラ」 ネパール語で湖をさす「ポカリ」という言葉からきているこの町は、言葉通りペワ湖という美しい湖に面している。露天の土産物を見て回ると安い!日本の20分の一ぐらい。

標高は827m。カトマンズより400mも低い。そのくせすぐ近くに、近くといっても30㎞も離れているのだが、標高6993mの”マチャプチャレ”がすぐそこにあるかのように見える。
その威容はまさに「雲の上」という言葉がぴったりする。初めてみると本当に「ウオー」と声が出る。
「頭を雲の上に出し・・」ではなく、”上半身”を雲の上に突き出している感じなのである。普段何気なく見上げている雲の位置に山があるのだ。
別名「フィッシュテール(魚の尻尾)」。少し角度を変えて見るとピークが二つあって魚の尻尾のように見えるらしい。写真の通り実に美しい山である。

コテージのようなホテルが今日の宿。一息入れてビールを頼む。出てきたビールはフィリッピンに本社がある「サンミゲール」だ。
ことフィリッピンに関わるものになるとニーノが黙ってはいない。彼にとって第二の祖国。

「知っとるか?キリンやサントリーなんかはサンミゲールの足元にも及ばへんのや。サンミゲールは日本のビールメーカーとは比較にならんほど広範囲に商売しとるんや」大阪住まいが長いので関西弁だが時々田舎の言葉も混じる。

皆で、天ぷらと蒲鉾と竹輪を肴にしばしくつろぐ。天ぷら・蒲鉾・竹輪は非常食を兼ねた我々の旅行の必需品である。(注:必要ないと思うが「天ぷら」とは魚のすり身を油で揚げたもの)

ガイドのラメッシュ君に「美味いから食べてみろ」と無理やり食べさせたら魚くさいのか妙な顔をしている。
「アホかいな。ほんとに美味しかったら、天ぷらは世界中に広まっとるわ」とニーノ。
「ごもっとも」俺達は物心ついた頃から食べているから舌に馴染みすぎてる。

ラメッシュ君に「日本で何が1番美味かった?」と聞くと小さな声で「コウベギュウ」
「は?何て」
「ほらヤキニク(焼肉)。 中でも神戸牛は美味しかったー!」
頭の中で神戸牛がジュージュー音を立てているのか、焼き肉を口にする光景が見えているのか、遠くを見るような目線が幸せそうに宙をさまよう。

しかし、実はネパ-ルでは牛は神様のお使い。聖なる生き物で絶対食べてはいけない。
大きな声では言えないが、日本で神様のお使いを食べてしまったラメッシュ君。

遠い目をして神戸牛の美味しさを語るラメッシュ君に、ヒンドゥーの神々のお慈悲がありますように! 新婚の奥さんにばれませんように!

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