二大評論家 静の宮家・動の宮崎?

今私が信頼を置く評論家(政治研究者)は、宮家邦彦氏と宮崎哲弥氏です。
他にもいらっしゃるでしょうが、書を読まないのでこのお二方しか知りません。

宮家氏は外交官出身で現在『lキャノングローバル戦略研究所主幹。
外交官として豊富な人脈を持ち、常に現場を訪れ、その体験をもとに正鵠を得た見解を展開する。
なおかつ冷静で、他人の意見に自分を見失うことなく耳を傾け、その穏やかな語り口は、口角泡を飛ばして非難しあう多くの現代の批評家の中に有って随一の戦略眼を持つ。

宮崎哲弥氏:研究開発コンサルティング会社「アルターブレイン」副代表。
政治哲学と同時に宗教思想の研究者でもあり、その博識と論理思考についていけないこともしばしば。宮家氏同様、右とか左を越えた見識は他を圧して素晴らしい。『たかじんのそこまでいって委員会』のレギュラーを降りたらしいが番組が一変につまらなくなった。

その宮崎氏が、どうしたことか最近随分乱暴な言葉遣いをするので驚いた。
言葉遣いといっても今週(1月1・8日号)の「文春のコラム:時々砲弾」での文章に驚いた。

まず自分のことを『俺』と表現することが2度。眼を疑った。
これは編集子の悪意ある見落としかねつ造ではないかとさえ思った。

今回のコラムは、他のメディア等が『衆議院選挙における投票率の低さ』を、「風」とか「熱狂」の足らぬ『盛り上がりに欠ける』選挙という風に表現していることにかみついたもの。

宮崎氏は、「国民の投票率の低さは、『小選挙区制度』という欠陥制度を導入した結果、有権者の死票が5割近くに達しているせいである」と断じたもの。

いつものごとく冷静な分析に反論の余地もないのだが、最後の捨て台詞がすごい!

「もっと罪の重いのが、この20余年の政治改革路線を敷設した「民間政治臨調」「21世紀臨調」。
ここに巣くってきた糞学者ども、反省の弁はなしか?なら俺が炙り出してやるから楽しみに待っていろ!」


いやいや驚きました・・・。 あの冷静な宮崎氏にこのセリフは想像もつかない。
彼の怒りの大きさが表れたものでしょうねぇ・・・・・・・・

しかし彼の言葉には常に共感する

『一票の格差』是正を求める運動に、俺が心底から共感できない背景には、小選挙区の大量の死票を放置しておいて何が『法の下の平等』だ、という静かな怒りが潜んでいる。

絶対に不可能な、「一票の格差をなくせ」と、毎回選挙後に訴える弁護士達に腹を立てている身には、実に胸のすく言葉なのだが、あれれ「静かな怒り」と言う哲ちゃん、ここでも『俺』と息巻いている。

宮崎哲弥氏にぜひこの心境の変化の因縁を語ってほしいものだ。

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