太平洋戦争前に対米戦を避けようと渡米した日本の政治家は、一様にアメリカ人のアジアに関する知識のなさに驚いた。
彼らが持つアジア観は、貿易でアジアを搾取した商人と、キリスト教を布教しようと訪れた「宣教師とその家族の見たアジア(特に中国)」をその資料としている。
当のアジア諸国の書物や歴史や文化に直接触れて得た知識でなく、白人の理解したアジアでしかなかった。
特に当時アメリカは白人の新興国家で、歴史・文化に乏しく、従ってアジア諸国の歴史や文化への敬意も持てなかった。
そのアメリカ人にとって、アジアは『中国』しか目に入っていなかった。日本は中国への道の道標のようなものだったのだろう。
太平洋戦争の原因は今になってはっきりとわかった。
アメリカ人の 『日本人への人種差別』 がその根本原因であった。
多くの宣教師がわたり多くの中国人がキリスト教宣教師に唯々諾々と従った中国はアメリカ人にとって理想のアジア人であった。
かたや日本人は、独自の文化を持ち、人心の安定した社会で、キリスト教は浸透しなかった。
日本人はアメリカ人にとって『無知で生意気なアジア人』と映ったのだと思う。
日露戦争でロシアを破った日本をアメリカ人は憎悪した。
日本を滅ぼすための太平洋戦争に追い込むため、アメリカは「中国に爆撃機・戦闘機を与え、その上アメリカ人パイロットが操縦して日本軍を攻撃する」という国際法違反を平気で犯している。
アメリカ国民は、黒人への人種差別は克服したように見えるのだが、はたし『日本人差別』は完全に払拭されたのだろうか?
ごく最近おきた米国内の『トヨタ自動車叩き』は記憶に新しい。
最終的に「トヨタに責任はない」という判決は出たが、それまでにトヨタの事業は大きく既存した。
あのデマによるリコール騒ぎと巨額の賠償請求は『日本差別』の表れではないと誰が言えるだろう。
『差別』はえてして『被差別者』のあいだに、逆転した状態で根強く残る。
『被差別者』として生きてきたと自負する(間違いではあるが)韓国人の、激しい『人種差別』性向はよく知られたところである。
ベトナム戦争に参加した韓国軍人のベトナム人差別・暴行・虐殺は凄まじいものがあった(ライダイハン)。
アメリカ社会で被差別民速として生まれたオバマ氏が無意識のうちに韓国人と同じ過ちを抱えていないことを願う。
オバマ氏の中で『歴史』は、人生において重要な判断材料となる『真実の歴史』となっていることを願う。
中国の歴史を知るのは結構だが、かつての「白人の夢想する中国の歴史」ではないことを願う。
今の中国はたかだか60年の歴史しかなく、そのうえ既に歴史に敗北したイデオロギー:共産主義に依存する特異な国家である。
韓国は、最も長い歴史を持つ『李氏朝鮮』でさえ中国の属国としての400年であり、独自の歴史も誇れる文化もなく、この時代の平均寿命は20代半ばで、人口は増えるはずもない悲惨な社会であった。
かたや日本は2000年の歴史持ち、独特の文化を連綿と伝え磨き上げてきた。
この国の文化と歴史は『皇室』によって紡がれている。
日本には世界からて何一つ後ろ指をさされるような汚れた歴史はない。
オバマ氏は『国賓』として招待されるにあたって日本の歴史と皇室についてどの程度理解しているのか。
婦人も伴わず、迎賓館にも宿泊しないという異例の『国賓』日本政府に多大な負担と緊張を強いている。
オバマ氏を『国賓』として招待したのははたして正しかったのか?
今後の日本政治・皇室外交に重要な一石を投じたことは間違いない。