介護保険の支出が止めどもなく膨張しそうなので「一定の所得のある人」はこれまでの1割負担から2割負担にするという厚生労働省案に、産経新聞社が「妥当」と賛成姿勢。
どうもこの間の「非嫡出子差別は違憲判決」にも賛成していたが、どうしちゃったのかなあ・・産経新聞・・。
「一定の所得以上」というのが280万円か290万円以上を想定していて、ほぼ5人に一人の割合らしい。
だがこの層の人ならば高額介護サービス費支給制度に該当し恐らく月額自己負担の上限は37200円になるので、それほど全体の中で自己負担金増による税負担が減るとは思えない。ましてや「低所得者の負担減」もするというのだから実質プラスかマイナスかはっきりしないだろう。【改悪】による作業等の負担も加味すればマイナスでしょう。
それより問題なのは、年収280万や290万の人が、もし上限額月額37200円・年額にして446,400円も介護費用を払うと年収の15%に相当する。これは生活が相当圧迫される。ご丁寧にこの高額負担に対する上限まで改悪しようというのだから先が思いやられる。
必要なサービスを受けるのを我慢しなければならない人が増えます。
もっと年収の多い人、最低でも500万くらいの収入のある人から高額介護サービス費の支給をやめた場合の月額最高額72,000円(一人)徴収するほうが理にかなっている。(資料がないので試算は出来ませんけど)
それに、何よりかにより厚生労働省が主張する「制度持続のために」という言葉が大いに疑問である。いや欺瞞である。
制度持続のために「制度を見直す」という当たり前のことをやっていない。
やっているようで今回のような「屋上奥を重ねる」制度の複雑化と利用者負担を増やすようなことばかり。
抜本的な改革をやらずに「利用者に負担を」というのは、官僚の怠慢でしかない。
怠慢でなければ 『救いようのない無能』 である。
介護保険制度は「社会全体で介護負担を」といい「住み慣れた町で老後を過ごそう」というスローガンを掲げて始まった。「女性に家族介護を押し付けない」などと女性の社会進出を支援する有識者がしたり顔で語っていた。
それがどうだ、保険制度だから確かに社会全体で介護を負担をするようになった。負担のなかった若者からも約束を破って介護保険料を徴収するようにさえなった。
だが家族が介護をしなくなった。本来介護を担うべき家族が介護を他人任せにしてしまった。独居高齢者を家族・親族が引き取ることがなくなった。日本の家族制度と地域社会が崩壊してしまった。
おじいちゃんおばあちゃんの世話をしない親を見て育つ子どもは決して親の介護をしないだろう。
「住み慣れた町で老後を過ごす」どころか、みな鵜の目鷹の目で入所施設を奪い合い老人を施設に押し込む。施設に入ってもらえば家族や親族は介護から完全に開放される。老人は施設という名前の見知らぬ社会で朽ちてゆく。
「女性に介護を押し付けない」といいながら介護サービスで働く人の9割は女性だろう。女性は自分の親の介護を放棄して他人の親を介護してお金をもらっている。
一体どうなっているのだ?
女性に介護を押し付けないといった人たちはこれでいいのか?要するにお金の問題だったのか?
それなら本人か家族介護をする親族に介護保険から現金を支給すればこれほど簡単な解決策はないんだよ。
そしてそれが最善な方法だと思う。
すべての要介護老人にそうせよとは言わない。家族のいない人も要る。折り合いの悪い家族もいるだろう。
だが同居家族が介護する場合には、現在の要介護度ごとの給付額の8割程度を現金で給付するようにしたらいい。最高度の要介護5で約30万円だ。
本当はもっと少ない額(20万?)でもパートをしていた女性はかなりの割合で介護を引き受けるだろう。
都合の悪いときは介護サービス事業所に頼み、費用はその中から払えばいい。
最も介護保険の費用が掛かる施設介護から在宅介護にシフトすればかなり費用が減る。
同居家族の介護を認めれば介護給付額が少なくとも30%以上カットできるだろう。
新たな施設はいらなくなる。よその省庁まで介護保険にかこつけて「住宅建設に補助金を支給している」こんな馬鹿なことに貴重な税金を使うのはよせよ。
デイサービスは人員基準や設備基準を大幅に緩和したらいい。そしてその分介護保険単価を大幅に引き下げる。もともと大して役に立たない日中の見守り程度の介護サービスが、介護保険の費用の20%以上を占めるのは根本的におかしいと思わなければならない。
楽だからサービス事業所が増える。開業を許可する役所は本当に何も考えていない。このような担当部署に介護保険以外の膨大な税金を使っていると思うと憂鬱にならざるを得ない。
この介護保険制度に関わる公務員の数を数えてみればいい。一体全国で何万人いることやら。これ(公務員を増やすこと)が介護保険制度の本当の目的だったのだろう。
厚生労働省は介護保険の事業見直しをしなければならない。
自分たちでは出来ない。民間事業者に内容を精査してもらえばいい。
きっとすごい結果が出ると思う。
政府は官僚の言うことだけ聞いていると国民にとんでもない負担を負わせることになります。
「海賊と呼ばれた男(百田直樹著)」にも沢山出てきますが、腐りきった頭の官僚は度し難いものです。国家を憂える少なくない数の官僚がいるのに、残念なことです。
今日もまたツイッターで暴言を吐いた残念な官僚がニュースで槍玉に挙げられています。
まず足元を見直してください。利用料を上げても何も解決しません。
介護保険制度の原点・サービスを見つめ直しましょう。
【要介護度別の介護給付金支給制度だけにして、サービス提供を介護保険から切り離して民間の事業者だけにし、要介護者(または家族)が選択するようにしてしまえばものすごくシンプルになります。個人や民間にまかせれば悪いことをすると思うのは官僚の思い違いでただの縄張り意識です。】