慟 哭
慟哭 byシジミ
私は人知れず なお故知らず慟哭することがある
夢を見る
見知らぬ人が来て云うのだ 「お前は人を殺したのだ」と
身に覚えなく 何を馬鹿なと 一笑に付すうち
はて 何故かの人はあんな事を云うのだろう といぶかしむ
いつしか不安はつのり もしかして私自身知らぬ間に
いや 自ら記憶の奥に封印したのか
かつて本当にそんな事があったのだろうかと
恐る恐る胸の内を丹念に探るうち
「私は 確かに 誰かを殺したのだ!」
フラッシュのように鮮やかに記憶が甦る
取り返しようのない罪におののき 恐怖が全身を包む 続きを読む