ああ日本国・・・
BY KEI
政局に明け暮れ何も決められぬ日本だがそれでも大した影響なく社会生活が維持されてゆくところが日本のすごいところなのだろう。
それは、海に囲まれた特異な単一民族国家という地形と、天皇制2000年という長期にわたる独立国家という歴史が育んだ”日本人”という名の幸運でもある。
おそらく世界最初の女性作家である紫式部の「源氏物語」を読んだイギリス貴族達は、「今やっと我々が到達した生活を日本人ははるか昔から実現していたのか」と驚き日本文化の先進性に驚嘆したという話を聞いたことがある。
白人以外造れなかった、「種子島」に流れ着いた鉄砲を、ものの一年で国産できるようになった。その上短期間で当時としては世界で最も多くの鉄砲を保有するまでになる。
幕末期、西洋帝国主義列強が野蛮人とみなした日本人に見せて驚かそうとした蒸気機関車や蒸気船さえも瞬く間に自分達で造り上げてしまう。
その他、日本独自の数々の工芸品や芸術派は西洋文化に熱烈なファンを産み多大な影響を与えた。
日本の将来を見据えた侍階級の若者達、つまり支配層が自らの所属する制度を破壊するという、まるで自殺するに等しい行為で国の形を変えた「明治維新」
太平洋戦争に敗れはしたが戦後の焼け野原から、半世紀を経ぬまに世界第2の経済大国まで昇りつめた日本人。
日本は世界の歴史の中で絶え間なく輝き続けてきたのだ。
なぜこのような”日本人”が育ってきたのだろうか?
「日本人であるという幸運は天皇を戴いてきたことある」と考えるのである。
世界中の国が「国家」という組織を維持する為にどれほど犠牲を払ったことか。それでも維持しきれず、地域ごとに幾多の栄枯盛衰を繰り返し、一個の人間における人格とでもいうべき「国の歴史」を不連続なものとしてきた。
幸いそのような経験のない日本人には想像もつかない事なのだろうが、それはきっと過去の亡霊に取り付かれ「統一した人格」を持たない分裂症のような不安を内在しているのではないだろうか。
もしそうであるならば、日本人はこれまで世界で最も幸福な民族であったということだろう。
だがこの幸運の根源を日本人は忘れてしまいつつあるのではないだろうか。
皇位継承者の減少は私をして意識下で胸中にさす不安の影を恐れせしめている。
戦後左翼教育に毒された似非学者達が、「女性宮家創設」「女系小天皇容認」等と賢しらげに提唱するのを聞くと憤怒に近い思いが沸き立つのが常である。
なぜGHQが皇室を廃止しなかったのかはよく解らない。
連合国側が日本人の抵抗を恐れたという説もあるが当時の状態では廃止は可能だっただろう。アメリカは原爆を落とした国である。日本人の抵抗があってもその気になれば押さえ込めたと思う。
推測ではあるが、彼らは戦後日本に来て初めて日本がいかなる国であったのか少しずつ理解し始めたのだろう。戦争という狂気の中で日米の国民は共に相手の真実の姿を知らなかった。高々200年にはるかに届ぬ歴史しかもっていない米国軍人達は生の日本に触れることで、歴史というものの重さを知ったことだろう。
勝者の余裕であらためて日本を見つめ、まもなく勃発した朝鮮戦争でロシア・共産中国・朝鮮と対峙した時マッカーサーは「日本が朝鮮植民地化し満州国を後押ししたのはロシアという獣のような覇権国家、それを打ち倒したソビエトという冷酷無比な共産主義国家に飲み込まれない為の自衛策であった」と明瞭に理解したのだ。
マッカーサーは解任となり本国に呼び戻された軍事外交合同委員会で
「日本の戦争は侵略戦争ではなく自営戦争であった」と述べさらに「日本が間違っていたのではなくアメリカが間違っていたのだ」「アメリカが過去100年に太平洋で犯した最大の政治的過ちは共産主義が支那において勢力を増大してゆくのを看過したことである」と述べた。
米外交官ジョージ・ケナンが 「アメリカは日本の勢力を支那大陸、満州、朝鮮から駆逐したことで自分たちの目標を達成したかに見える。しかしその結果アメリカは過去半世紀にこの地域で日本が直面し、対処してきた問題と責任を日本に代わって引き受けなくてはならなくなった」 と述べたのと同じ後悔を述べたのである。
日本は欧米列強の脅威を目の当たりにし、維新を経て富国強兵策をとり軍備を進めた。
帝政ロシアという脅威から身を守るために朝鮮を植民地化した。
中国朝鮮と手を組み西洋列強からアジアの独立を守ろうと辛亥革命を支援した。
共産主義ソビエトの脅威から身を守るため満州国を強化しロシアの南下を喰いとめようとした。
日本が力をつけるに従い西欧列強は日本包囲網を敷き、兵糧攻めにして日本を枯渇させようとした。ロシアもまた中国内に共産勢力を組織し中国を分裂させ、日本が中国(中華民国)と争うようにテロ行為を繰り返させた。
アメリカとロシアの思惑は成功し日本は敗れた。だが戦争後日本を知ったアメリカは日本と同盟を組み共産主義者と戦う。
かって列強に侵略植民地化されたアフリカの多くの国は未だに闇の中にとどまる。一歩間違えばアジアもあのような状況に陥っていたかもしれない。
しかし一人日本は有色人種として唯一欧米列強に追いつき追い越さんとして戦い、日本が敗れた後でも自信を得たアジアは次々独立を果たした。アジアは今まさに経済の大発展を見ようとしている。
アジアとアフリカの彼我の差をよく見るがよい。
日本の歩んできた道を曇りのない目で見るがよい。中国・韓国・北朝鮮は事実に基づく歴史認識という友好の礎を取り戻さなければならない。