科学が発達し世の中は便利になった。
医学も発達し人間の寿命も伸びた。
人口も増え、一見発展し続けているように見えるこの世界が、
一皮剥けば、貧困はなくならない。犯罪も減らない。紛争も絶えない。
巨大なビルが美しくそそり立つその足元で、人類という生命が絶え間なく堕落しているように見えるのはなぜだろう。
世界を救うと約束した『神』はどこに行ったのか?
その『神』さえも冒涜するかのごとく、
『神』の名をかたるエセ宗教を生み出し続ける『人』に救いはあるのか?
この世界は、自分さえ、自分の家族さえ、自分の属する社会さえ、自分たちの国家さえ良ければ、
他人、他の家族、他人が作る社会、他国などどうなろうとも構わないという、
『エゴ』に支配された醜い人間とその眷属ばかりが増えている。
「人類の発達とともに『人間のエゴ』も成長する」
これが人類の宿命なら、そう遠くない将来人類の世界は破滅するだろう。
誰か立ち止まって耳を傾けてくれるだろうか?
『エゴ』は被害者意識である。
嘘をついてでも被害者を装う人である。
「被害者(装う人)を救え」と責める人である。
『エゴ』は加害者を生む人である。
嘘をついて加害者を仕立て上げるひとである。
加害者なしでは生きられない人である。
誰か心に留めて思いをめぐらせてくれるだろうか?
『エゴ』は掻き立てられる『不安』である。
『不安』を憎しみを、憎しみは恨みを呼びさます。
『エゴ』は誰のせいでもない憎悪を抱きしめる。
無辜の人を加害者に見立て恨みを晴らそうとする。
だが、他人のせいではない自ら生み出した憎悪は
無辜の加害者を血祭りにあげたとて消えるはずはない。
誰か『エゴ』の人に静かに諭せないだろうか?
『エゴ』は無限地獄の苦しみでしかない。
あなたが手放すしか逃れる術はない。
憎しみも恨みも全て自分で生み出すものである。
憎しみも恨みも他人が与えることはできないのだ。
誰のせいでもないのだ。
今こそ『エゴ』の呪縛からのがれ、
心静かにあなたの隣人にほほ笑みかけないか?