ヨーロッパといえば明治日本が「追いつけ追いつけ」と手本にした国々。
第二次大戦後、敗れはしたものの復活した日本は、再びヨーロッパ(とアメリカ)を目標に、今度は「追いつき、追い越せ」とその後ろ姿を追いかけてきた先進国でした。
日本が世界第二位の経済大国になった時でも、ヨーロッパ諸国は、間違いなく「経済以外の分野」で日本がお手本にするべき文化を持つ先進国でした。
そして「欧州統合」という高い理想を掲げ歴史的大実験「ユーロ圏構想」に乗り出したヨーロッパは、固唾を呑んで見守る先達の後ろ姿でした。
ところが、そのヨーロッパの理想「ユーロ」がいつの間にかグローバル社会で疫病神のような存在になろうとは、日本人にとって信じがたい時代が始まっています。
著名経済学者等の「通貨だけを統一して統一(連邦)政府を持たないユーロは大失敗」という批判のとうり、ユーロ圏内の経済格差が浮き彫りになって財政危機に瀕する国家が相次ぎ、世界経済の不安(定)要素たなっています。
最初に騒がれたギリシャは今は一応収まってますが、イタリアもスペインも危ないと言われています。
危ないと指摘される国は当然、緊縮政策で財務改善を目指さなければならないのですが、国民は嫌がります。
そのイタリアで総選挙が行われましたが、
スキャンダルで降板した自由国民党の元首相ベルルスコーニ氏が、緊縮財政反対のバラ撒き政策を掲げ、その上「私財(小遣い)5000億円を減税分に充てる」と超ポピュリズム公約で大躍進。
さらに、コメディアンのペッペ・グリッロ氏が率いる緊縮財政反対派の「五つ星運動」も躍進し、財政緊縮派の民主党を中心とする中道左派連合は過半数を獲得できず、今後ユーロが大混乱に陥るおそれがあります。
日本でも「民主党」という冗談のような政党が政権を取って大混乱と停滞を引き起こしましたが、イタリアでは一度失格の烙印を押された「金持ちのエロおやじ」と、経験も政策もない「コメディアン」にみんなが投票するハチャメチャぶり。
ギリシャと違ってイタリアやスペインは規模が大きすぎて財政破綻するとユーロでは支えきれない。
それでも「不死身のベルルスコーニ」に投票するイタリア人はさすが「ラクテン人」
まあどう転んでも、ユーロ圏は頑張って自分たちで処理してもらいましょう。
ギリシャを破綻させてユーロから放り出しておけばここまで深刻にならなかったかも。
イタリアの選挙ひいてはユーロ危機で、はた迷惑な話ですが、再び円が値上がり、株が下がり、せっかくのアベノミクスに水を刺された格好の日本ですが、そんなに長期の影響はないでしょう。
為替に株価が引きずられたのはもう昔の話。
外人投資家の日本株離れを心配する声もありますが、もうそんなレベルではありません。外人投資家は投資が増えれば増えるほど円高の恩恵が大きくなる。一時的な外人売りも個人資産の多い日本人投資家が外人の売りを吸収して株は徐々に値上がりします。(個人的かつ希望的予測ですが)
ですから日本経済はユーロ危機の影響は避けられませんが、引き続き発展します。
「不撓不屈の日本」を世界が目の当たりにするでしょう。